【インタビュー】升味加耀×雪深山福子ペア


「ひとり多ずもう」は、ひとり芝居のショーケース公演。
-素舞台
-ひとり15分

-俳優×演出家による台本


という3つのルールの下、俳優と演出家がペアになり、1対1の創作に臨みます。 監修の松井周さん(サンプル)のWSよりスタートし、それぞれの個性を活かしながら、この企画でしかできない作品づくりを行います。 同じ手法から生まれた多様なひとり芝居を上演します。 自作自演も含め6作品の上演を予定しています。


「寒煙」を上演する升味加耀×雪深山福子ペアに、作品やお互いの印象について語っていただきました。

ー自己紹介をお願いします。


雪深山福子(以下、雪) 役者をやっています。4年くらい前に地元から上京してきました。舞台に出たり、声の仕事もやったり映像もちょこっとやります。

升味加耀(以下、升)  無隣館所属です。学生時代にベルリンに留学をしていた時に果てとチークという団体を旗揚げしました。ちっちゃいスタジオで、自分で書いた一人芝居を自分でやって、英語字幕をつけてやったっていうのが旗揚げ公演です。


―升味さんのユニット名の由来は何ですか?


升 私が書くものって何だろうって考えて、憎悪と希望だなって思ったんです。それを英語にすると「hateとhope」で、それをローマ字にすると「はてとほっぺ」って読めるから、じゃあ「果てとチーク」にしようってなりました。

雪 すごーい!おしゃれー!

升 やめてください〜すぐオシャレっていうんだからもう〜笑。


―旗揚げ公演は一人芝居だったんですね。


雪 すごい、強いですね。私一人芝居に恐怖しかなくて。

升 いや私もめちゃくちゃ怖かったですよ。字幕つけてるとはいえ通じてるかどうかも分からないし。


―お二人が創るのはどんな作品ですか?


升 雪深山さんの実体験を元にした、一人暮らしの女の人と奇妙な隣人のお話です。

雪 エレクトーンのステップ踏みおじさんが隣に住んでるんです。


―どういう人なんですか?


雪 顔はちゃんと見たことはないんですけど、普通のおじさん。最初に越して来た時すごい高い声で歌ってるんで、アイドル志望の女の子かなって思ってたんです。ステップもすごい踏んでて、ダンスの練習してんのかなって。でもおじさんが部屋に入って行くところ見たりして、だんだん歌ってるのおじさんじゃね!って。

升 そのエピソードが面白いから結構そのまま持って来ています。


―作品はどのような雰囲気ですか?


升 一言で言うとふざけホラーです。


―「ふざけホラー」とは?


升 ホラーと笑いって紙一重だと思っていて。怖すぎると笑っちゃうんですよね。そんなに怖くなくても、ホラー独特のノリで笑っちゃうこともある。私B級ホラーがすごい好きで。絶対怖いんですけど、絶対ばかばかしいんです。ホラーって緩急だと思うんですよ。緊張があって緊張がふわっとほどけての繰り返し。その、ふわっていうところに笑いが入ってくるとエンターテイメントとしてとても面白くなる。

雪 私ももともと怖いのが好きで、去年の夏に升味さんがやられてたお芝居を観て、このホラーな空気感すごい好きだなって思いました。


―お互いの印象を教えてください。


雪 プロフィールの写真を拝見して、「めちゃ美人だ!」と思って。果てとチークっていう劇団名もすごいおしゃれだなーって。最初にお会いした時に、ハイヒールでかっかっかって来て「あ、スターだ」って思いました。ペアが決まる時に、「えええ私でいいのかー」って思ったんですけど、でも私とは対極にいるような升味さんと一緒にやったらどんなものができるかなってワクワクしてます。

升 私は、最初はすごい可愛い方だなと思ったんですけど、ちょっとギャップがあって。セリフ読むときになるとちょっと少年っぽい声になるというか、声に芯が出て来るんですよ。話してる時は話してる時でもちろん素敵な声なんですけど。あ、でも話してる内容にも結構ギャップがあって面白いです。日々色々と思ってることがあるんだなって笑。

雪 あーなんかごめんなさい!

升 私が、日々こういうことで腹が立って仕方ないんですっていう話をすると、実は私も…みたいな感じで話してくれるんです。それで、許せないとこ似てますねってお互いに言い合って。


―今後の創作の目標を教えてください。


雪 なんにもないまっさらな空間で、役者がどういう状況にいるのかをお客さんたちに匂わせるのがやっぱり難しい。そこは私の役者としての一つの目標です。そういうのを楽しめるようになりたい。私もホラーが好きだから、一人芝居でどれだけホラーを楽しんでもらえるかを、私自身も楽しんで追求していきたいです。

升 自分の作品は難しいって言われることが多いんですけど、「今度こそ誰にも分からないとも難しいとも言わせねーぞ」と思ってます。ものすごく死ぬほど怖いホラーじゃないし、笑えるところもあるので、気軽に見てほしいです。


公演詳細はこちら!

「ひとり多ずもう」公式ブログ

-素舞台 -ひとり15分 -俳優×演出家による台本 という3つのルールのもと、俳優と演出家がペアになり、1対1の創作にのぞみます。 監修の松井周さん(サンプル)のWSからスタートしたこの企画を発展させて、俳優と演出家の対話からうまれる作品づくりを行います。自作自演も含め6作品の上演を予定しています。公演詳細はこちら→https://ticket.corich.jp/apply/98354/

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