―お一人ずつ自己紹介をお願いします。
山下恵実(以下、山) 無隣館というところの3期生で、ひとごとっていう団体を去年3月に立ち上げて、2回公演をやりました。身体的なことを扱う作品を作ってます。普段はこまばアゴラ劇場で働いたり、他の団体の制作をやったり、ダンス作品の振り付けをやったりしています。
秋本ふせん(以下、秋) 俳優で、無隣館の恵実ちゃんの同期です。ひとり多ずもう実行委員会です。
―「怒を吸う」はどんな作品ですか?
山 きょうだいが喧嘩をします。基本的にメッセージ性とかはなくて、くだらないやり取りをひたすらする。ふせんさんがお母さんと喧嘩した時のエピソードを元にしています。体をどう舞台上に置くかってことに興味があって、そういうことを今回もやりたい。怒ってる時の身体って特殊なものがある気がしているので、それを見つけられたらいいなと思っています。
―稽古はどういう風に進めていますか?
秋 最初は二人で流れだけ決めて即興で稽古して、出てきたものをサンプリングしながら作っています。
山 やってみたのを録音して、それベースで作っています。とっさに出てきたやり取りで面白かったものをちょっと抽出したりして。
―山下さんが演出する時に気をつけていることはありますか?
山 あまりテクニックに頼りたくないっていうのはすごいある。パッと見て、分かりやすく美しい体はあんまり好きじゃない。
―これまで稽古してきた中でのお互いの印象を教えてください。
秋 私、恵実ちゃんと言葉のチョイスが似ている気がする。笑いを取りたい時の言い回しとか。演出家としては、やりたいことが明確で伝わりやすい。自分がやりたいものが見えていて、どうやってそこに到達するかもすごく考えてて、素晴らしいなって思います。
山 初めて会った時から、独特な空気感をもった素敵な人だなーってずっと思ってて。自分の作品にも出て欲しいなって結構前から思ってたので今回一緒に作れて面白いです。作品に対して自分も関わってるんだっていう意識があるのがすごくありがたい。一緒に相談しながら作ってる感じがすごくいいな。
―二人でどんなことを話すんですか?
山 誰にだったら怒れるんだろうねって話してて。友達に本気で怒るのはちょっと難しい。けど、家族とか関係の深い恋人とかだと喧嘩しても関係が壊れないだろうっていう安心感がある。
秋 私たち二人とも姉がいて、家族の方が喧嘩になりやすいよねって話をして、それできょうだい喧嘩にしようってなりました。
秋 どういう時に怒るのかな、とかも話しました。(思わず怒ってしまうくらい)相手に気を許してるか、(怒ることで)相手との今後の関係がどうなっても構わないと思ってるかのどっちかな気がする。私は腹が立たないことはないんですけど、相手に何か言う前にすごい考えちゃうんですよね。今、私は怒ってるけどそれは本当に正当な怒りなのか?って。
山 私もしょっちゅうむかつくタイプです。でも相手に自分が何に怒ってるのかを伝えるのはすごい苦手で、喋らなくなるっていう一番最悪なキレ方をします笑。
―今後の創作の目標はなんですか?
山 身体にどう怒りを落とすかはいろいろ試していけたらと思ってます。リアルに喧嘩を演じるっていうよりは、身体を使うことで怒りの新しい表し方みたいなのを見つけたい。パッと思いつくようなのじゃなくて、こういう怒りの表し方ってあるんだみたいなもの。
秋 怒りって色んな種類がある。自分を守るための怒りとか、 相手のためを思って怒るときとか。そのバリエーションを見せられたら面白いのかな。ぜひ観に来てください。
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